自律神経を壊し不安障害になり外に出られなくなったイラストレーター兼漫画家の著者。
体重が増加のため、できる運動は・・ということで夜のウオーキングをすることになる。
同居人であり相方の男性を付き添いに、夜の散歩で著者(たまに相方)が見る情景を
描いたエッセイもの。
不安障害を抱えている著者の話だが、医学的な見解などはなく、
(病を得たことによる感覚の弊害の描写はあるけども)
著者当人が見たり聞いたり感じたりしたことを淡々とかつ叙情的に描かれている。
ちょっとだけ辛い印象を受ける主題ではあるが、
牧歌的でほんわかとした絵柄と作風は変わらず、
ゆっくりとした気持ちで堪能出来る内容だった。
相方さんと著者のやりとりが微笑ましく、いいコンビだなと思う。
相方さん視点の話もしんみりとした。
個人的に、夜のひっそりとした町を歩くのってちょっと冒険的な心持ちになる
ことがあり、その点で共感をひしと感じた一作だった。
木村いこ
リュウコミックス全1巻/ 徳間書店
ジャンル:エッセイ / 好み度:★★★★☆