クルリのヒトトセ 樋口彰彦 


クルリのヒトトセ (角川コミックス・エース)

戦争から四半世紀が過ぎた未来の日本。
戦争から一気に躍進したピクトと呼ばれるアンドロイドが一般化した時代。
主人公の少女は、父の友人で田舎に済むおばあさんの家に居候することになる。
そこにはピクト工学者の父の作った最新型で少女の姿をしたピクトが居た。
少女型のピクトは幼いこども並の知能と情緒を持っているというところがミソのよう
ばあちゃんとピクトたちとすごす田舎の日常が描かれる。
日常でのいろんな出来事や事件、主人公と超多忙の父との確執なども。
このあたりの題材としては定番だがとにかく作品に漂う雰囲気が良い。
優しさ、せつなさ、慟哭、憧憬・・各々が持つ大切な感情を丁寧に描いている。
所作や演出が巧みで身近に感じるというか心に染みるというか。
ゆったりした田舎の風景の中のアンドロイドと人間という絵面も好きだった。

樋口彰彦
角川コミックスエース全1巻 / 角川書店
ジャンル:少年・SF・ドラマ / 好み度:★★★☆☆