ハスク・エディンhusk of Eden 如月芳規 

古代城塞都市の聖なる塔を守る役目を担う軍の部隊に所属する面々を描く物語。
戦争で都市機能は他へ移動し現在住民のいない古代都市。
都市自体は廃墟だがその中心の塔が重要で守護する部隊が配属されている状況。
なぜその塔が守られるべきなのかの明言はなく、また部隊の末端にもよくわかっていない模様。
ただテロリストがその塔を狙って都市内部に入ってくるのでその排除をしているかんじ。
塔の重要たる理由を知らない人間が同士が塔を巡って戦うという奇妙さも肝の1つなのだろう。
ドラマとしては、エピソードごとに主格が変わる、ある種オムニバス形式とも言える構成。
というか変えざるを得ないというか。主役を毎度変えるというコンセプトが軸になっている作品なので。
戦争モノでは昔は見られた構成だが今だとちょっと珍しいかも?
進撃某もこの形式かと思っていたら違ってたし。
主格がエピソードごとに変わる構成、そして登場人物たちのほとんどが
塔の重要性の意味を知らず戦うという構図によって、
戦争の空虚さとか虚無感が半端なく感じられ、その意味では
主題をしっかりと描かれた秀作だと感じる。
だた、主格を変える構成のわりに、キャラデザが似ていて見分けがつかないところが
多々あってちょっと戸惑うところが難点。

如月芳規
ゼロサムコミックス全4巻 / 一迅社
ジャンル:少女・ドラマ/ 好み度:★★★☆☆