九州の田舎のＪＲの無人駅が舞台。そこは無人だが猫又になった黒猫が住んでいて
駅の整備などの駅長の仕事を誰に頼まれるでなしやっている。
そんな無人駅にひとりの美少女が訪れる。彼女は父親とともに近所に引っ越してきて
この無人駅から学校に通うという。
そんな始まりの黒猫又の駅長さんと少女の交流を描いた４コマストーリー。
４コマだとテンション高めの話が多いがこちらは登場人物の少なさと舞台からか
しっとりとほんわかと進んで行く。猫又は年の功でか客観的に冷静に状況を把握し行動、
美少女は育ちの良いお嬢様のようで物腰が柔らかく優しい気質なキャラというのも
その雰囲気を醸し出している。
柔らかなネコと少女の交流がただただ続くのかと思いきや、
少女の割とヘビーな家庭環境と悩みなどシリアスな要素もあり、
物語として十二分に堪能出来る４コマだなという印象。
ヘビーといっても少女が理不尽な状況に置かれているというより、
どうしようもないけど少女にしてみりゃ踏ん切りが付かないよなあというかんじ。
悪役は一人もいないのにやるせないのだ。
どう落としどころを見つけるのか続きが気になる構成。
少女と黒猫の絵面とやりとりが雰囲気があって心に染みる。
山口悠
バングｰコミックス全３巻 / 竹書房
ジャンル：４コマ・ドラマ / 好み度：★★★★☆