五百蔵酒店物語 小堀洋/西岡恭子 

海外にいた主人公の青年は、兄死亡の連絡を受け慌てて帰国するも、
実家の酒屋を継ぐことを嫁に拒否された兄が家を出たのが真相。
で、主人公が酒屋を継ぐことになり美人を紹介されトントン拍子で結婚することが決まる。
主人公自身は下戸であり、酒が飲めない主人公が酒を売るというミスマッチが見所の1つかな?
一方でもらった嫁が日本酒に対して並々ならぬ熱と知識を持っており、
日本酒専門店に衣替えすることを決める。
目標は決まれど決して順風ではなく、立地的にコンビニチェーンが目をつけてきたりと
酒業界の話でちょこちょこ聞く話がエピソードに組まれている。
絵柄といい構成といいもろビジネス漫画系、というかんじもする。
物語構成的には堅実なつくりだとは思うが、少々もったいぶったというか紆余曲折要素が多い印象。
あと主人公や嫁の前職業の設定の必然性が見られない気がした。
著者自身の趣味とか経験とか、それなりに知った世界の要素を入れたのかも知れないが。
描きたいものをいろいろ詰め込んでいる印象を受けるほどに中身は濃い気がする。
ただ主人公が少々いきあたりばったりすぎないかと思わなくもない。
出来た嫁のフィーチャーしたいのからなのかもしれない。
酒とくに日本酒に関する蘊蓄は多く、巻末にも実在する地方の銘酒を紹介している。
個人的には日本酒を主題とした話を始めて読んだのもあって、
知識欲が満たされ興味深い作品ではありました。

原作:小堀洋 漫画:西岡恭子
角川チャージコミックス全2巻 / 角川書店
ジャンル:青年・業界・ドラマ / 好み度:★★★★☆