レジデン都市505 美川べるの 


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主人公は実直な漫画家青年。物件探しで薦められたマンションを
内見に行ったらそこはあまりにも混沌とした建物だった、というはじまり。
増改築を重ねたであろうその造形は、今では違法建築で行政ストップが来る物件。
しかし昔々テレビで紹介されたマンション物件を思い出す。
今ではそれもないだろうが、迷路のようでわくわくする物件だった。
横道に逸れたが、真面目な主人公は当然危機回避で遠慮しようとするが、
年若い大家の青年は必死で引き留める。
主人公は温泉のオプションに惹かれ住むかと考えるも
主人公の職業が漫画家と知ると今度は大家が拒否する・・という展開。
なぜ漫画家を拒否するかというと
先住の店子が漫画家でとんでもないキャラだからだということらしい。
まあ何のかんのと主人公はそのマンションに住むことになるのだが。
テンションが突き抜けたかしましいというよりやかましいな女性漫画家の破天荒な言動と、
奇々怪々なマンションの仕様などをネタに次々とギャグを繰り出す
ハイテンションな同居+漫画家生態ギャグのよう。
ある意味、漫画家の仕事過程というか漫画家あるあるネタなのだと思うが、
とにかく突き抜けている。ボケ担当?の女性漫画家が無計画・行き当たりばったり傾向にあるのに対し、
ツッコミ担当の主人公は真面目で計画的・性格も穏やかというわかりやすい二極キャラなのが良い。
あと大家の青年は一見常識人というか破天荒な人間に悩まされているキャラに見せてなかなかに濃いキャラ。他のサブキャラも作り方が明確で巧い。
破天荒キャラの言動がハイテンション過ぎるし他キャラにしてもおおむね台詞がけっこう多く、
めまぐるしく展開していく。
個人的には、進みが早すぎて正直読んでいて疲れる、
1巻読むのにかなり時間を要するのだが、面白いのは確か。その意味ではコスパの高い作品と感じる。

美川べるの
角川コミックスエース全3巻 / 角川書店
ジャンル:少年・コメディ / 好み度:★★★★☆