正式タイトルは「アニメーション紀行 マルコ・ポーロの冒険」
東方見聞録を元にした、アニメのパートと実写のドキュメンタリーを融合させた作品。実のところこのタイトル、2話分しか見たことがなかったり。再放送はほとんどなかったと思うのでリアルタイムという...。もう本当に子供の頃に見たきりですが見た2話は今でも覚えているほどですからインパクトの強い作品だと思います。マッドハウスが手がけたらしいので妙に納得...。
私が見たのは、主人公のマルコ・ポーロが砂漠で子供に襲われるものと気の荒いラクダの話。
貧困から盗賊になった子供に主人公が後ろから刃を突きつけられたシーンで止め絵になったところは衝撃を受けました。世の常識ってわからないころでしたがこどもが大人を傷つけようとするということにそんなバカなと思った記憶があります。そして主人公は盗賊に囚われ、なんとか仲間に救われます。そしてその後主人公を拉致した子供はその罪から首を切られてしまいます。主人公はやめろと叫びますが私も叫びたかったですねー。罪を犯したとはいえ子供が殺されるというシーンも衝撃でした。理屈はわかるけどこどもは守られてしかるべきという観念があったので。(つくづくやなこどもだった私...)
もう一個は、砂漠を旅するためラクダを探していた主人公は、誰も御し切れなかった気の荒いラクダを乗りこなし、そのラクダと共にキャラバンの旅をする。しかし旅は困難を極め水も底をつき、主人公のラクダは徐々に力を失っていく。ラクダをかばいつつ旅を続ける主人公だが、ついに動けなくなったラクダを苦しみが長引く前に殺してしまえと言われ断腸の思いで止めをさす...というもの。
砂漠の旅がいかに過酷であるか喉の渇きがいかに辛いかということがひしひしと伝わるリアル感あふれる描写でした。主人公が動かなくなり浅い呼吸だけ続けるラクダの口へ自分の空の水筒から一滴だけ落としそれをごくりという音とともに飲んだ瞬間刀が振り下ろされるシーンはいまも鮮明に覚えています。水を飲んだときの主人公を見るラクダの目が特に印象に残っています。
1979年NHK総合全43話/堪能度:★★★☆☆