ごく平凡な女性・庸子は、友人の引越し手伝いの最中に荷物が崩れかかった瞬間、「ガンダム」の 世界に入り込んでしまい、指導者となったシャアに屋敷へ運ばれる。シャアはいきなり現れた庸子をメシアと呼ぶが、アムロファンの彼女はなにかと彼に反発してしまう...。
創作(架空)世界へ迷い込むというネバーエンディングストーリーアニメ版といった感じでしょうか。ここでのシャアは、映画「逆襲のシャア」のころの彼です。2次元キャラを愛したことの人には楽しめる内容なのは言うまでもないですが、ストーリー自体も結構奥が深い構成になっていて、それ以外の人でも読ませる内容ではないかと。 主人公が好きなキャラに会ってミーハーよろしく喜ぶというパターンでないところが個人的にツボでした。
ネタバレになってしまいますがあらすじは前フリで、シャアが現実世界に入ってしまい、元の世界に戻るよう奮戦する庸子と、彼らを利用して現実世界と架空世界の境界線を壊そうとする人たちとの物語がメインです。境界線を壊そうとする人たちの目的と感情、架空世界が好きだという感情について考える庸子、自分が作られた存在であることに憤るシャアの心理描写が見所かと。登場人物の切ない感情の吐露が胸を打ちます。
余談ですが、作中設定よりちょっと遅れたけどディスクで録画できる時代になりましたねー。
高橋なの
アウトコミックス全1巻/みのり書房
ジャンル:パロディ・SFファンタジー/好み度:★★★★★