死ぬほど愛して 川村一世

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中学卒業と同時に本山へ修業に出ていた住職の息子・大東慧が修行を終えて寺に帰ってきた。幼少のころ、彼から不理尽な仕打ちを受けた、隣人・毬子は憔悴する。そんな中、慧は毬子に死ぬほど愛していると告げる。慧の新手の嫌がらせだと決めつける毬子だが......。
恋愛という名のエゴイズムを独特の切り口で描いた物語。心理描写は時に電気のように鮮烈なのに、どこかまったりとした雰囲気も感じました。作者の感受性の高さが伺える作品です。
慧にとって自分に媚びず思ったままを言う、厳しくて優しい彼女は、幼少のころもらえなかった感情をくれる存在なのでしょう。呆れるほどに「男の子」な慧のキャラってやっぱり女性ウケするのかなあ。顔がいいというのは必須条件ですが(笑)
話はそれますが、毬子の初恋の相手を、彼女が最初に見たときの衝撃は共感するものがありました。私の場合はその対象が2次元キャラだったのが不毛というか道を外したというか(笑)作者の発表作品ってこれ1冊きりなのでしょうか。あとがきを見るとしんどい状況だったようですが......。

川村一世
ウイングスコミックス全1巻/新書館
ジャンル:少女・恋愛 /好み度:★★★★★