JUNGLE-BOY(ジャングル・ボーイ)をAmazonで見る
アフリカケニア育ちの純朴少年の日本での学園生活を描いた物語。
主人公の少年は探検家の父親と共にケニアの自然の中で育った経歴を持つ。父親が行方不明になり日本の女優の母親の元に身を寄せる。一般の学校に入学するも日本の社会では浮いた言動から不良に目をつけられてしまう。
それを知った母親は、主人公に人間社会のあらゆることを学ばせつつ生来の純朴さも保持するよう望み、あるツテを使い、全寮生の学校に主人公を入学させる。
その学校は変人と称される創始者により設立され偏見や人種などに縛られない自由をモットーとしていた。それゆえか学園の面々は個性的であり一筋縄ではいかなくもあり。学園生活の中で多くの人間と触れ合い人間社会を学ぶ主人公、という展開。
現代人が持ち得ない優れた五感を持つ温和な自然児が日本の物質社会のジャングルでどう成長していくかというのが主題かなあ。確かに一般の学校では学ぶより先に折れてしまう可能性が高いわけで、舞台となる学校はちょうどいいバランスなんだろうな。自由な気風ということで特殊なイベントも目白押し。
物語の展開はテンポよくどんどん進むけれど、主人公と同室の頑なな少年との交流などの人間関係描写は、きちんと段階を踏んでいるところが好印象。穏やかな主人公の気質とか、父親への反発からグレたいのに生来の気質が邪魔してしまう友人など、登場人物たちの行動や個性的なキャラ設定の作りこみがすごいなと感じました。
読んでいてそこはかとなくわくわくする気持ちになるタイトルでした。
中村理恵
プリンセスコミックス全8巻 / 秋田書店
ジャンル:少女・学園 / 好み度:★★★☆☆