ローラカイザー 高河ゆん

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千年に一度の繁殖期を控えた天界。唯一の女性夕子と青年あかざは彼らが「地獄」と呼ぶ人間界へ降りる。その際、あかざはささめの身体に消えない傷を負わせ、怒るささめに自分を殺したいなら自分を追って「地獄」へ降りろと告げる。女性がいなければ繁殖できない天界の住人はあかざたちを追い、ささめもあかざを追って人間界へと降りるが......。
激しく刺々しい感情のぶつかりあいが表現されたインパクトの強い作品。もうそれだけの漫画といってもおかしくないような気がします(笑)コンセプトはいかに直接描写抜きにエロスを表現できるからしいので無理もないか。程度の差はあれど登場人物が全て自分に正直なエゴイストなのが実に印象深かったです。あと独特のファンタジー設定と作中のエピソードに出た愛情と憎悪とはどちらが強い感情かという議論が萌えました。議論のとりあえずの結論はラストにあかざが言っているようです。
ささめが自分の本当の姿が醜いことをかなり嘆いていたのでどんなグログロかと思いきや恐竜だったのは正直、拍子抜け。綺麗とは言いませんが...なんかこう違う気がしたのは私だけではないでしょう。あと人間とささめたち種族の関係が実は逆の意味を持つのも驚きましたね。ラストはばたばたしていて少々消化不良気味な終わり方だったのがちょっと残念。

高河ゆん
プリンセスコミックス/全4巻/秋田書店
ジャンル:少女・ダークファンタジー・恋愛/好み度:★★★★★