時は江戸時代初期。徳川3代目の跡継ぎを決めるため行われる伊賀と甲賀の忍たちの血闘の物語。
徳川家康は3代目の跡継ぎ問題に頭を悩ませていた。万策つき天海の助言から、伊賀を長男側・甲賀を次男側につかせ、互いの手練れ10人で雌雄を決し跡継ぎを決めることにした。つまり一騎打ちで公平に決めたいが無用な遺恨も残る、使い捨ての忍ならば懐も痛まないということのよう。無常とも言える戦国時代における忍の立ち位置をうまく物語の設定に組み込んでます。
一言でいうと忍者アクションバトルにロミオとジュリエット要素をからめた話かな。結局かなわなかった現頭領同士も秘めた恋仲であり、主人公格たる甲賀の若者と伊賀の娘もまた恋仲。しかし残酷な運命は幸福なつながりを無に帰すという構図。
人類の域を超えていてほとんど妖怪のような風貌と能力のキャラ設定の忍の面々が強烈でした。徳川家康もかなりインパクト強かったです(汗)
特殊能力を駆使した戦闘描写が見所だと思うのですが、登場人物の情の描写も思いのほか細やかでした。でもやっぱ映像のほうが映えるタイトルかな。漫画版も見ごたえはあるのですがね。
ストーリーの結末は誰もが予想するであろう決着のつけかただったのが個人的にいまいち。この時代背景と人物の業からいってこの結末以外は収まりがつかないのはわかるのですが。
原作:山田風太郎 / 漫画:せがわまさき
アッパーズKC全5巻 / 講談社文庫全3巻 / 講談社
ジャンル:青年・バトルアクション・時代 / 好み度:★★★☆☆