地区大会で優勝しないと廃部になってしまう小学生軟式野球部は練習の厳しさから部員すら足りない状態だった。そんな中、一人の少年が転校してくる。その名は一八。家庭の事情から野球から遠ざかっていたが野球部の熱意にふれ野球部に入部することになる。
主人公が当初野球をしていなかったのは、実父も叔父も野球がらみで不幸な目にあっているという背景から禁止されていたという設定。投手の訓練を受け実力もかなりあるけれど入部当初は野手だったりと順当な内容でした。
まあ超人的な能力を持つキャラがいるのはお約束としても、キャプテン翼程、試合や練習の描写や展開に破綻が少なくかったですね。主人公の家庭事情や淡い恋愛模様といった人間関係面ではシリアスかつ深みがあるかなと感じました。
個人的にはスポーツ要素よりも人間描写の印象のほうが強かったです。それゆえか熱血なスポ根描写の熱血さが足りなかったのかテンションがあがりきらなかったからかほぼ打ち切りに近い形での終了でした。
主人公と生き別れた弟との対決とかけっこう見所があったのでちょっと残念。年齢層に合わなかったのかな；そういや野球って親が教えているというパターンが多いのはサッカーみたく一人じゃ上達しにくいからなのか。
高橋陽一
集英社文庫全６巻ほか / 集英社
ジャンル：少年・スポーツ / 好み度：★★★☆☆