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写真家の父親が行方不明になってから外国人の母と住処を転々としていた中学生・風斗は、突然現れた鳥の化け物・ガルーダから自分が中央アジアの小国ダラシャールの42代法王だと告げられる。
序盤で知り合った車椅子の少女の登場はちょっと唐突な印象を受けましたが実はやっぱり重要人物、といったことをはじめ寄り道っぽいエピソードも実は本編の伏線という構成が興味深かったです。
中央アジアの神様や聖人や宗教的慣わしなどがわんさか出てくるオリエンタルファンタジーだったり歴史上の人物が出てくるSFな要素もありな内容ですが、話の根幹はやはり人間ドラマかな。本筋である法王がらみの話を基軸に、主人公たちが関わる人間たちの話も織り交ぜています。
人間の業など割と濃く描かれていますが、後味は決して悪くなく、どちらかというと人間って結構面白いよ、捨てたもんじゃないよという善き気持ちを感じさせる雰囲気。
シリアス一辺倒ではなくコミカルでノリの良い会話ややりとり、キャラ設定もふんだんにちりばめているからかな。
読み応えがあり、ファンタジーとはいえ設定に溺れずきちんと人間の物語が描かれた秀作。ただ掲載雑誌の休刊など編集側の都合で中途半端な終わり方だったのが残念。著者の力量から物語にはそれなりの収束は見られますがやはりページ数が足りないのは否めませんでした。
続シリーズもあるようです。
秋乃茉莉
ホラーコミックススペシャル全14巻 / 秋田書店
ダラシャール編3感/星獣編6巻 / 秋田書店
ジャンル:少女・ファンタジードラマ / 好み度:★★★★☆