主人公の少女シイナが小学生最後の夏休みに祖父母の島に遊びにいったとき、海の社で星型の奇妙な生き物に出会う。シイナその生き物にホシ丸と名前をつけ、家につれていくが・・・。
ホシ丸は竜の子という存在であり、形態を自在に変化させることができます。竜の子はホシ丸だけでなく複数おり、各々こどもがそのパートナー(?)となっている模様、シイナはほかの竜の子との出会いや、竜の子を使って世界をリセットしようとする者たちの戦いに巻き込まれていくという展開。
タイトル「なるたる」は「骸なる星、珠たる子」の略。タイトルといい、オープニングのデフォルメしたコミカルなノリのオープニングといい、流行り始めた萌えアニメかなー、それにしては絵柄がそうじゃないなあと思っていたら大きく予想を外されていました。
シリアスでシビアかつセカイ系という・・。竜の子とそのリンク者との戦いは生死が関わるし竜の子を持つ者の中には人に危害を加える一派もいたりとハードな展開が続きます。
竜の子を持つ人間は、主人公も含め、家族や友人とうまくいっっていない等といった、多かれ少なかれ心の傷を持っておりその辺の人間ドラマもリアルに描かれています。一般社会ではよく見られる人間関係の軋轢も竜の子が関わることにより、追い詰められた人間の袋小路な思考展開が強調されている気がしたり。
竜の子による殺戮シーンもけっこうあるのですが、ゆったりスローに暴挙が行われる演出。日常の中に突然にのっそりとやってきた危険な非日常、唖然としているうちに牙がこちらを向くいう感じ。子供の持つ残酷さも一瞬垣間見えた気もしたり。阿鼻叫喚のグロ表現より死に対する恐怖が倍増されているなあと感じました。普通の、日常の雰囲気の演出もさりげなくうまいんですがね。
こういうやるせない展開は好みじゃないのですが目が話せない引力を持った濃密なタイトルでした。最終話はかなり無理やりまとめた感じですが話数が足りなかったのか原作が続いていたからか・・。
2003年テレビ東京系放映全13話堪能度:★★★★☆