日常と非日常の隙間に踏み込みやすい少年りん太と彼の影響で見えてしまう少女さじの周囲で起こる不可思議な事象を綴った物語。
りん太は霊体質らしくそれに関連するアルバイトもやっている。さじはりん太にひきづられて非日常な現象を除いてしまうことがある。そんな2人は恋人同士。2人自身や彼らの周囲の人間で起こる不可思議な事象を綴った物語。
いわゆるホラーでグロテスクな要素もあるのですが物語自体はどちらかというとアメージングストーリーという感じ。恐怖や驚愕よりも、人間の悲哀、哀愁を重きにおいているというか。恐怖とは理解の範疇を超えた対象に感じる感情という意味ではホラーそのものなのですが。
1話読みきり形式。最後で話がひっくり返るというパターンが多く、先の読めない展開。物語としてはかなり堪能できる構成です。各エピソードで、全容をまだ知らないヒロインさじのあっけらかんとした明るさやテンションの高さが物語に起伏をもたらしているのが印象的。あとヒロイン以外はその怪奇現象をありのままに受け止めている場合が多々あり普通のホラー以上にうすら寒さを堪能できます。
オガツカヅオ
眠れぬ夜の奇妙な話コミックス1巻 / 朝日新聞社
ジャンル:少女・ホラー / 好み度:★★★☆☆