探偵儀式 箸井地図 / 清涼院流水/大塚英志

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政府公認の探偵集団「日本探偵倶楽部」の面々に届けられた「探偵儀式」への招待状をきっかけに始まる事件をめぐるミステリファンタジー。
未来の日本。裁判員制度とともに国民の民意により刑事事件の調査を行う制度の発足により政府公認の探偵集団「日本探偵倶楽部」通称JDCが作られた。探偵が「私立」探偵ではなくなり、彼らは国民にとって羨望の的になり、ミステリ小説はすべて探偵倶楽部の面々が実際に解決した話のみになっていた。時が経ち彼らが取り扱う謎を持つ事件が少なくなり探偵倶楽部の存続は危ぶまれてるようになった中、ボランティア探偵通称BDCと名乗る3人の少年少女が登場する。
登場するのは程度の差はあれど思わせぶりで奇抜な行動を伴う奇人、客観的に見るとギャグにしか見えない世界設定やキャラ設定でも登場人物たちの至極まじめなテンションによって読み手をシリアス視点に持ってくる力量が興味をそそるタイトル。キャラの名前が駄洒落のようになっているのも印象的でした。
斬新というか前衛というか。特異な設定の舞台芝居を見ているような感覚も覚えます。旧い探偵JDC、新しい探偵のBDCとの対峙、物語の中核となる探偵儀式を中心に話がめぐる構成。
奇人の中で普通の感性を持ついわゆる凡人の刑事を真ん中において物語を展開させている模様。はじめは無茶な設定ながらそれなりにミステリな内容だったのですが巻を追うごとに神話ファンタジーな展開に。ミステリ要素もあるものの、どこか迷宮に入り込んだような気持ちになれます。普通のミステリではなく不思議な雰囲気を堪能したい人向けか。

原作:清涼院流水 / 原案・脚本:大塚英志 / 作画:箸井地図
角川コミックスエース全6巻 / 角川書店
ジャンル:少年・ミステリファンタジー / 好み度:★★★☆☆