浪人生本須和秀樹はある夜、ゴミ捨て場で女性型パソコンを拾う。四苦八苦しつつも起動したパソコンにちぃと名づけ、秀樹とちぃの生活がはじまる。
冴えない一人暮らしの男性の元に可愛い女性がころがりこむという設定は、男性の願望なのか、青年誌では良く見られるパターンです。この作品はその願望を逆にテーマにしています。自分にとって都合のいい夢にひたってしまいそこから出てこない。それは本人にとって幸福ではあるけれど真の幸福か否かという問題提起。そして人でないパソコンたちの悲哀。謎かけの役割を持つ絵本からもそれがうかがえます。語りたいことはわかるのですが、心に訴えかけるものが少ない気もなきにしもあらず。
エンジェリックレイヤーと同じような絵柄なのは青年誌だからかと思っていたのですが他に理由があったのですね。どうも故人の描写が安易だなと思うのは私だけなのでしょうか。
CLAMP
ヤングマガジンコミックス全8巻/講談社
ジャンル:青年・SF・ドラマ / 好み度:★★★☆☆