「神威」を中心に天の龍(七つの封印)と地の龍(7人の御使い)との地球の運命をかけた戦いを描いた物語。
美麗な画面構成・作画とドラマティックな展開の人気作品。天の龍は人の暮らしを守るもの、地の御使いは地球という星の命を縮める人の営みを破壊するものを意味します。つまるところ環境問題が隠れたメインテーマかと思われます。天の龍も地の龍も団結しているというより個々の理由で戦っているという印象が強く、善対悪という単純な図式ではない複雑な人間模様が見所の一つです。他作品のキャラクターもかなり登場しています。物語の設定等もリンクしているところが多く、特に東京BABYLONの話の決着とも呼べるエピソードが印象的でした。現代設定のCLAMP作品の集大成という感じ。
神威の性格が最初の頃とかなり変わってしまった(ストーリーの流れからは違和感が無いとは思いますが)ことと、展開が遅いのが難点。世紀末の話なのに世紀が変わってもなお続いているのは少々興ざめの感があります。
第1回の神威の台詞の意味は最終回にはわかるのでしょうか......。 というか最終回は発表されるのかかなりあやしい;どうも連載中に起こった某事件からマスコミの目を鑑みて中断した模様。
某ニュータイプのふろくにコミックス未収録分が掲載されていましたが、続いても劇場版ラストと似たようなかんじかなーと、あまり期待していません。
CLAMP
あすかコミックス18巻/角川書店
ジャンル:少女・世紀末ファンタジーアクション / 好み度:★★★★☆