「炎の月」という通り名を持つフリーの傭兵・ユー・ジェニー・ヴィクトリアの物語。
前半は「炎の月」と呼ばれた傭兵時代の生き様が、後半は子供たちとの生活と父親との確執が主に描かれています。
軍事と政治、戦争のからくりなどがわかりやすく説明されています。リアル志向ではないにしろ、読者層から言ってあまりなじみのない世界ながら、割とすんなりと入ることができます。
アクションもありますが、やはりメインは人間ドラマ。女性の視点から見た戦場、生と死、人の本質が克明に描かれています。後半から登場するジェニーの子供たちの言動は子供の視点からの素直な意見として印象深いです。
少女漫画の枠を超えた読み応えのある作品でありながら、メンタルな部分もきちんと描かれているところがツボですね。しかしこの作品、主人公の身内の死亡率が高すぎです；；
長編シリーズ炎の月は話の展開がグダグダのまま終了という感じでした。
2008年より「ジェニー」というタイトルで順次文庫化されています。
河惣益巳
ジェニー / 白泉社文庫/ 白泉社
花とゆめコミックス/白泉社
(1)ジハード＜聖戦＞ (2)クロス・メモリー (3)オール・レッド (4)月蝕 (5)ユングフラウ(6)ヒート・イースト (7)ＧＩキング (8)ルナティック (9)ソル・イ・ソンブラ(10)クルセイダー以上各１巻 (11)炎の月全７巻
ジャンル：少女・ドラマ・アクション / 好み度：★★★★☆