文明開化の時代の日本。人間とともに存在する「妖人」がらみの衝突を解決する妖人省の面々の物語。
時代・文化設定はは文明開化華やかなりし明治の日本がモデル。人間のほかに妖人と呼ばれる種が存在し人間社会では奇異の目で見られることが多い。そんなころ今まで使用していた太陰暦から太陽暦への変更が決定しさらに妖人の文句が増えるであろうことを懸念して双方の潤滑剤として設立されたのが主人公たちの勤める妖人省。
若い男性軍人と半妖の少女たちをペアで組ませて仕事を行うという構図。主人公のざくろとペアになったのは容姿端麗中身は妖人が苦手のヘタレという軍人。いくらかの喧嘩はするもののついたり離れたりなんとかうまくやっているというか傍から見るとほほえましい喧嘩というか。ほかのペアもはじめから相性がよく、内部では気持ちが沈むような人間関係がないのがいいですね。その分外からの圧力やら思惑やらがシリアスな展開を生みそうですが。また主人公の母が絡む伏線も気になるところ。
コメディ要素が割と多く、事件やシリアスな展開はあるものの、せつない気持ちをはらみつつもめでたしめでたしな終わり方のエピソードが多いです。双子の半妖の過去は悲しいけれどいい出会いが彼女たちを幸せにしているなあと思うとほっこりするし、穏やかな妖人の女性と寡黙で誠実な軍人とのやりとりは古き良き時代の仲睦まじい夫婦を連想させます。
巻が進めばシリアスな展開になりそうですが、いかにもな悪役もなんか憎めないってのはこの著者のタイトルの特徴か。
余談ですがフリルの下地がついている?和装っていいなあ。イラストなどでたまにこういうのを見かけますがこのタイトルの服は特に好み。
星野リリィ
バーズコミックス1~巻 / 幻冬舎コミックス
ジャンル:青年・和風ファンタジー活劇 / 好み度:★★★★★おすすめ