赤龍の乙女 竹内桜

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頼光、怪童丸(金太郎)といった平安の鬼退治の伝説の人物たちが現世に転生し同じく転生した敵たちと戦うという話で、転生したのは女性ばかりで、主人公の高校生は怪童丸の転生した姿という設定です。
主人公には入院中の母がおりその治療費と学費を支援されるかわりに転生者として戦うとことになる。ただ敵側が言うには母の病は呪いであり頼光側の画策だと言う。実際四天王のほかの一人の弟も同じ状態だし信憑性はあるよう。
四天王の身内の件もそうだし頼光は過去の鬼退治を殺戮と語るシーンもあり、主人公側には世界を守るというお題目はあれど腹黒いというか策謀的な面があり、勧善懲悪というわけではなく信念と怨念とがぶつかりあう戦いのよう。
主人公が特殊な人間であり戦いに巻き込まれるというパターンかなー。少々癖のある絵柄ですがシャープな線画だしアクション描写も流麗で見ごたえあり。主人公にとってのファーストコンタクトは味方側の印象が悪く、敵側の少女の印象が良いかんじというところに仕掛けがありそうななさそうな。
主人公のキャラが、感情がないわけではないものの起伏が乏しいというか自我が薄い印象を持つためか、転生だの鬼との戦いだのといった展開を一般的視点から突っ込む役として転生者ではない主人公の友人の少女を置いているのが特徴か。もしくは主人公の枷という役割を持たせるためかも。まあ話が進むにつれて登場する場面が減るかもしれませんが。
ゴスだの巫女だシスターだのといった要素を含めつつ少女たちによる戦闘アクション重視な内容かな、やっぱ。話としてはひねりは少ないと思われるのでアクション描写もしくはキャラに入れ込めれば楽しめるタイトルか。
巻末に同時発売の他作家による漫画が一話分収録。新しい宣伝形態の模索やも知れませんが興味がない人には金払って広告を見るようで、もにょるなあ・・。

竹内桜
愛蔵版コミックス全2巻 / 集英社
ジャンル:青年・アクション / 好み度:★★☆☆☆