主人公の裏高野の退魔師孔雀は、人の闇に巣食う魔を退治する所謂拝み屋。初期は一般人に依頼され、退魔業を行うといった内容でしたが、巻が進むにつれ世界を闇に変えようとする敵が現れ、彼自身の皮肉な運命と過去が明らかになる、といった重いテーマに変わっていきました。真言を唱え魔を退治するという設定が人気を呼んだ作品、新しいジャンルを確立した立役者的な作品。
連載当時はハマッていたのですが最近読んだらちょっとトーンダウン。何故だろうと思っていたのですが設定等がジャンルの1つとして確立されてしまい、当時ほど新鮮味がなくなってしまったのと、戦闘中心でバトル描写に比べて人間描写が少ないせいなのかなと。後半は戦闘が大半で人物の顔もワンパターンだったような気がします。ラストのまとめ方はけっこう良かったと思うのですが。しかし、前半は今読んでもやはり面白いと感じますし、作画も迫力があると思います。
後にシリーズの続編として、孔雀王退魔聖伝が発表されています。孔雀の退魔業を描いた、前シリーズの初期の頃と同じパターンのシリーズですが、作画が前より下手になり(というか好みではない絵柄)、話も面白くなくなってしまったのが残念。前シリーズよりエロ度が上がっていたのもイマイチの原因でしょうか。弁慶の話とか、良かった話も中にはあるのですが。あ、どちらも青年誌連載なので女性の裸がバンバン出ますのでご注意を。
2006年に新シリーズ「孔雀王曲神紀」が始まりました。中途半端に終わっていた退魔聖伝の続きのようです。消化不良だった人には楽しめるのではないでしょうか。私は、やっぱり絵柄が好みでないので流し読みですが・・。
荻野真
孔雀王/集英社文庫全11巻/集英社
孔雀王退魔聖伝/集英社文庫全7巻/集英社
孔雀王曲神紀/ヤングジャンプコミックス全12巻/集英社
孔雀王ライジング / ビッグコミックス / 小学館
孔雀王戦国転生 / リイド社
ジャンル:青年・オカルト /好み度:★★★☆☆