怪物掃除課に属する少年と青年と広告王の孫娘のオカルトファンタジーアクション。
旧東ベルリン市街地。たらいまわしにされた怪事件や超常現象を調査する「怪物掃除課」のメンバーの男性と少年はある仕事をきっかけに金持ちの無垢なお嬢さまと知り合う。お嬢様は、掃除課のスポンサーとなり、2人の仕事についていくようになるが・・という展開。
西洋系退魔アクション、でいいのかな。怪物掃除課は与えられる経費が少なく、人外のモノを倒すための武器や道具(銃の弾など)の値段を踏まえつつ仕事をこなさねばならないほど常に貧窮している状態、という設定が面白かったですね。戦闘中の台詞がせちがらく涙を誘う(笑)まあお金持ちの素人の少女が彼らと関わりを持つための理由づけでなのでしょうが。ちなみに少年は人狼、敵は吸血鬼という設定。
はじめはおまけのような立ち位置の少女でしたが徐々に物語の中核を担う役割が明らかになっていきます。主人公側が知らされていない事実が多分にある、主人公たちは彼らが属する組織の上層部に利用されている?ような構図なのは著者の作品らしいかな。敵と味方(上層部)どちらが「人道的」もしくは「正義」なのか不透明なところとかね。
トーンが少なく極力墨のみで描かれた小説の挿絵によく見られる荒削りな線による絵柄が特徴。洋画のようなスタイリッシュな構成と小粋な雰囲気、臨場感のあるオカルトバトル描写が魅力の作品。
角川から2巻ほどコミックスが出ていましたがなぜかCRコミックスに移り、タイトルに「新約」がついて仕切りなおしされた模様。
納都花丸
CRコミックス全7巻 / ジャイブ
ジャンル:少年・オカルトアクション / 好み度:★★★★☆