20歳になるまでに想いあう相手がいないとき悪霊に連れ去られてしまう霊能力のある少女の物語。ゆららの月の続編にあたる作品。
主人公の少女は浄霊を請け負う事務所に勤める霊媒師で常に彼氏を募集中。というのも彼女は悪霊に魅入られ、20歳の誕生日に相思相愛の相手がいなければ少女を連れ去るという一方的な契約を交わされたため。
そんな中、霊能力のある司書の男性が半ば強引に事務所にひきぬかれ少女と同僚になる。で、この男性ってのがゆららの月で登場した男性。ゆららの月の続編にあたり、前作の要素も多分に物語に絡んできますが前作を読まなくてもわかる構成になっています。
タイムリミットのある重い宿業を持つ少女、最初に惚れた女性が忘れられない男性、少女を想う同僚の男性との三角関係と除霊エピソード、各々の人物の過去話を重ねつつ物語が進んでいくという構成。
重いバックボーンがあるものの鬱々としたシーンばかりでなくほほえましいほのぼのなシーンやコミカルなシーンもあり全体的に前向き傾向な雰囲気。シリアスとコメディの分量が計算されていて切り替えも自然といったほうがいいのか。
20歳の誕生日の主人公と悪霊の賭けの行方が話の区切りになるだろうから、人物関係や悪霊の謎やその他伏線もそれに向かっていることが容易に推測でき読み手にとって物語に入りやすい内容と言えます。
潮見知佳
花とゆめコミックス全9巻 / 白泉社
ジャンル:少女・オカルト・ドラマ / 好み度:★★★★★おすすめ
黒髪のにーちゃんが悪霊と関連してるかなあと1巻を読んで漠然と思っていたのですがちょっとはあたってる・・のか・・?