子泣きじじいの飼い方 石川優吾

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昭和44年大阪。会社員の「私」は流行のカッパを飼おうと立ち寄ったペットショップで「子泣きじじい」を発見、ある想いから予定を変更して子泣きじじいを飼うことになる。子泣きじじいのペット育成物語。
「カッパの飼い方」のスピンオフ作品。「カッパ」は割りとポピュラーなペット生物という設定の社会において、希少とされる子泣きじじいを飼う一家のお話。妖怪の子泣きじじいと同じく、泣くと重くなるという性質は言うにおよばず、昔話や現実における「じいさん」を連想させる特質も持つ。
希少ゆえに情報も参考文献もほとんどなく、手探りと勘で育てていくことになる。苦労も多いがそれ以上に得るものもある・・という悲喜こもごもな内容。
子泣きじじいだけでは話がまわらないのか、希少という設定上子泣きじじい同士のペット仲間は無理があるからか、山姥や小豆洗いなどの馴染み深い妖怪ペットも登場。こちらもその特性を上手にネタに活かしています。
意外性だけでなく彼らを飼うことで生活や人間関係の中での大切なことを再認識するという要素も盛り込んでいるところが見所のひとつ。昭和中期という時代の選択もうまい。このへんの時代なら戦中戦後のエピソードを入れても違和感ないしね。

石川優吾
ヤングジャンプコミックス全2巻 / 集英社
ジャンル:青年 / 好み度:★★★★★