マザーファッカーズ 藤生

Amazon
マザーファッカーズ シリーズをAmazonで見る

副題として底辺BL作家の日常とありますが、発売当時はBL作家として何年も活動するもコミックスが出せない作家の日常というコンセプト。
著者の個性豊かな友人たち、姉をはじめとする家族の話、担当との攻防、BL作家のアシスタント風景などなどが描写されています。時に鮮烈に時にゆるゆるに時にスタイリッシュに時にヤバげなそして寂寥感とせつなさをも内包。
背徳感あふれるタイトルですが中身もなかなかアウトローでアバンギャルドな感じ(全部がそうではないのですが)です。初期のエピソードはいろんな意味でスレスレな気がします・・。
割と漫画家のレポートや日常エッセイのタイトルを読みましたが、このタイトルの雰囲気や内容、語り口の新鮮さはいろんな意味でダントツでした。読み物としては自然なインパクトがあり好みの雰囲気。
著者はBL作家ですがBL的萌えテンションは普通、というかBL以外にも興味のあることが結構多いのかなという印象を受けました。あと完全に主観ですが著者は誤解を受けやすいタイプなのかなあとも。
かなり緻密に描き込まれており、情報を詰めるだけ詰め込んだ構成のページが多いです。帯などにも書かれているとおり読んでも読んでも終わらない。その分値段分以上楽しめるとも言えますが、ちみっちゃすぎて読むのに疲れる場合もあるかも。その緻密さゆえか生来のものか月2枚の原稿に締め切りの攻防があるようで。事実なら担当の人に同情;

藤生
マザーファッカーズ●底辺BL作家の日常●
マザーファッカーズ2 ―すべてがBLになる―
drapコミックス2巻 / コアマガジン
ジャンル:エッセイ / 好み度:★★★★★

なんとなく著者の芽が出ないのがもったいないなあと思っていたのですが後に角川からBLコミックスが出たり4コマの作品も発表されているようで、なんか嬉しい心持ち。