将来国のトップを担うポストを用意されている支配者層の子女たちが集う学校に通い、周囲に一目を置かれた主人公の青年は実は安アパートに暮らし、学校では身分を偽っていた。
なぜそうしているのかというと、支配者層に対する復讐と彼らを見下せるほど高みに登るため、そしてその背景には金持ちの庶子でその家の養子となるも人間扱いされないという過去の状況があるという設定。
そんな中、家庭教師の代行を頼まれた先の少女が、あると信じたものを箱の中に具現化する力を持つことを知った主人公は、少女の能力を使い望みを果たそうとするという展開。
単なる理詰めの詐欺系サスペンスかと思っていたらSFファンタジー?な設定も盛り込まれていてけっこう複雑なストーリー構成のようです。とはいえ、主人公の過去やら人間関係やら、濃いヒューマンドラマのような、ドロドロというか生々しい人間模様と心理描写のインパクトは強いという印象を受けます。
主人公が少女の能力をどのように活かしていくか、伏線の人物がどのように動くか、主人公と少女の交流とか、が見所かなー。
井田ヒロト
角川コミックスエース全3巻 / 角川書店
ジャンル:青年・SF・ドラマ / 好み度:★★★☆☆