先の天帝を殺して自らが帝となった帝釈天が恐怖政治を敷いた天界。帝釈天に一族を殺された夜叉王と先の戦で死んだ阿修羅王の忘れ形見・阿修羅は星見(予言)に出た帝釈天を倒すという六星を探し帝釈天打倒の旅に出る...というのが物語の始まりです。インドの聖典(リグ・ヴェーダ)を元にしたいわゆる密教ファンタジーもの。なので、タイトルの読み方はせいでんまたはリグ・ヴェーダ。
仏教美術を彷彿とさせるキャラクターやデザイン・背景は見ているだけでうっとりものです。また、ストーリーや構成の骨組みはしっかりした作りで意外性もあります。最終巻の展開は驚きの連続でした。また伏線が多数貼られているので一度通して読んで再度読むと味わいが出る作品だと思います。(つじつまの合わなかったり疑問が残る部分も見受けられますが)。物語の中ほどになると表現がくどかったり少々マンネリっぽくなっていたような気がしたのですが......。リアルタイムで読んでいたからかなあ;死人が多いのが特徴の漫画ですが救い様のないラストではないです。
CLAMP
ウイングス文庫全7巻/新書館
ウイングスコミックス全10巻/新書館
ジャンル:少女・ファンタジー/好み度:★★★★☆