自分のルーツを探すため地球に降りた少女の物語をはじめとした３編のSFファンタジーオペラ短編集。「きらきらDUST」「ブラック・リネン」「死者の大学」を収録。
「きらきらDUST」
地球付近にやってきた異星人の宇宙船。調査のため回収したダストに付着した細胞を培養し再生された少女。成長した彼女は自分のルーツを探し地球に降り立つ。
往年のSFを思い出させる緻密な設定と映画のような凝ったデザインの異星人が特徴。しっかりした設定、無垢な少女の人間社会での冒険、少女漫画らしいロマンスも加味してかなり読み応えのある内容となっています。最後の結末、主人公のルーツにいい意味で驚かされました。そうくるかみたいな（笑） あ、エイリアンのデザインの元は狗神さんという人らしいです。
「ブラックリネン」
彼女をサポートするつもりで引越しするも別れることになった青年は黒の服を作り続ける未亡人と出会う。「夢」をテーマとしたドラマ・・なのかなあ。彼女の夢をサポートする気満々だった青年。彼女が離別を告げた際の台詞とか、未亡人の服を作る理由とドラマが印象的でした。
「死者の大学」
才能がありながら時代のため早死にした魂は死者の大学で各々の才能を磨いている。その中で研究を続け８００年目にして不老不死の妙薬を見つけた医者は、生者の青年にその技法を託送とするが・・。SFファンタジーお伽話と、恋愛も加味したお話。死なない人間ばかりの世界への危惧の台詞が興味深かったです。
かまたきみこ
ソノラマコミックス全１巻 / 朝日新聞社
ジャンル：少女・SF / 好み度：★★★★☆