矢島順子、通称やじさんと、篠北礼子通称きたさん。この2人、腕っぷしがめっぽう強くそれ故に何度も転校を余儀なくされていた。そして運命のいたずらか、はたまた単なる偶然か、同時期に同じ高校に転校する腐れ縁の仲でもあります。そんな中、2人は三葉学園の理事長を名乗る男性に呼び出され、学園内の乱れを正して欲しいと依頼されることから物語が始まります。以降、同じく学園の経営者に依頼されたり、偶然転入した学校でもめごとを解決していくというのが主なストーリーです。
基本は学園物......なのですが、なんかアナクロな雰囲気がそこかしこに漂っている作品。番長とか許婚、上様に忍者、仕事人と時代劇要素がふんだんに盛り込まれています。中にはマジいつの時代の人間なのかと感じる人もいたりして。でもそれらが浮いておらず、作品の中にナチュラルに溶け込んでいるところはさすがだなと感じました。時代劇仕立てなので勧善懲悪な展開も魅力の一つといえます。主人公の2人の強さといったらもう見ていてスカッとしますね。線が綺麗で、画面構成が巧。特に、アクションは集中線が少ないのに躍動感があるところがすごいと思いました。心理描写も丁寧に描かれています。
余談ですがこの作品の人間関係って他のまんがとちょっと違う感じがするのは私だけでしょうか。「世間って割と狭いのね」一般によく耳にするこの言葉をいつも思い出してしまうのですが。
やじさんとキタさんの出会いから始まるシリーズ「やじきた学園道中記昭和仕立八丁堀事始メ」も発表されました。ブランク以後平成風味でやってきたやじきたを昭和仕立に立ち返ってというコンセプトもある模様。確かにやじきたは昭和っぽいほうがしっくりきますが。
市東亮子
やじきた学園道中記 / ボニータコミックス29巻/秋田文庫/秋田書店
やじきた学園道中記昭和仕立八丁堀事始メ / プリンセスコミックス1巻 / 秋田書店
やじきた学園道中記II / ボニータコミックス全12巻/秋田文庫/秋田書店
やじきた学園道中記F / プリンセスコミックス6巻 / 秋田書店
ジャンル:少女・学園・アクション / 好み度:★★★★★
22巻以降単行本が出なかったのでこのまま立ち消えになってしまうのか?と思っていたら12年ぶりくらいに続刊が発売されました。喜。おひさしぶりのキャラが総動員(笑)