アルバローズの猫 カラス

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殺し屋として生きてきた少年はひょんなことから売られかけた少女を拾いともにすごすことになる。それをきっかけに少年の中に起こる変化と葛藤を鑑賞する物語。
ゴシックなキャラが物語の案内人というオープニング。ダークなゴシックな世界観の寓話のような雰囲気で、読者は観客というスタンスで展開されます。物語の肝は、少女と出会ったことにより感情がなかった殺人猫の中に起こった変化。その変化は彼にとって吉と出るか凶と出るか、といったところか。
全頁フルカラーなのですが、ゴシックな世界観ゆえかほとんど黒と赤で構成されていて意味があるのかなーと思う。まあ2色刷りではこの雰囲気はだせないけど;あと明確なコマ割りがなく、詩とモノローグと絵で構成された絵本のような印象を与える画面構成。
視覚的な効果を狙っているのかなと思える特殊さ。同人誌でよく見かけた手法だなあというのが第一印象でした。綴られる詩や物語自体の内容、構図の大胆さからはそれなりにセンスは感じます。廃頽的なゴシックの雰囲気、天使や猫耳といったファンタジーを好む世代を対象にしたタイトル。好きな人は好きってジャンルだなーと。
しかし個人的にはどうも話にはいりづらく、上手下手を抜きにして平面な絵柄は受け入れ辛かったです。完全な好みの問題っすね。主人公の少年と少女の会話は好きでした。
続編シリーズ・NightWalker-ナイトウォーカー-がジーンコミックスから出ています。

カラス
ガンガンコミックスオンライン全2巻 / スクウェアエニックス
ジャンル:少女・ファンタジー / 好み度:★★☆☆☆

著者のサイトを見たら絵は上手かった。漫画とイラストの画面構成はやはり違うのか。