平和で牧歌的な小国・エッシェンシュタイン公国のお姫様が巻き起こす騒動を描いた物語。
主人公エヴァンジェリン姫のキャラクターが痛快なのです。これといった産業がなく国自体が貧乏なため金銭関係にはがめつ......もとい倹約的で庶民的な考え方なのですが、ここ!というときは腐っても王族(失礼)な発言や行動をとるところがツボ。どーも私は周りから見ると突飛すぎる行動の裏には深い考えがある、というパターンが大好物なようです。
お姫様が主人公なので国家がらみの陰謀とか暗躍といったエピソードが多くアクティブなシーンもありますが、決してハードなものではなく、怪我人は出ても死人はでないぬるさなので悲劇的な展開が苦手という人にも楽しめる作品。ただ、ぶっちゃけた話、絵が見づらいので画面から入る人には少々難あり。でも物語は読み応えがあるのでぜひ。
花とゆめコミックスから「エヴァンジェリン姫シリーズ」として3巻出ましたがたぶん現在は絶版。なのでデータの方は省略しています。現在は「王室スキャンダル騒動」(1作目のタイトル)という文庫版が出ています。シリーズ全話とおまけまんが付き。
遠藤淑子
白泉社文庫全1巻/白泉社
ジャンル:少女・ロイヤルコメディ / 好み度:★★★★★