You're My Only Shinin' Star-君はぼくの輝ける星- 高河ゆん

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科学技術が究極の粋を超え、魔法と呼ばれるほどに発達した未来。月星人の少女レンブラントは自分の記憶を奪った地球にいる大魔導士イマームから記憶を取り戻そう地球に密入国するが......。
物語はよく読むと平凡なのですが、キャラクターの描き方、設定に見られる作者の感性が、作品を非凡に感じさせています。汚い言葉を使うと汚い人間になるというイマームの台詞は身にしみた記憶があります。
個人的には随所に見られる萌えな設定がツボでした。言霊(普通の言葉による呪文)による魔法の発動、バイオ兵器によって融合した2人の人間、セーラー服の用心棒少女たち、病人にしか興味のない医者などなど。言霊による力の行使というコンセプトは「LOVELESS」にも見られます。まあよくある設定と言えなくもないですがそれでも好感が持てるのは、ウケを狙って使っているのではなく、描きたいから描いているという姿勢が伝わるところでしょうか。
死んでしまうほどの辛い記憶はあったほうがいいのか忘れたほうがいいのか。作者はあったほうがいいと描いています。辛いことが帳消しになってしまう嬉しい記憶の可能性、辛い記憶も楽しい記憶もその人のかけがえのない財産だから。

高河ゆん
講談社漫画文庫/全1巻/講談社
ジャンル:SFファンタジー・恋愛 / 好み度:★★★★★