少女鮫 和田慎二


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傭兵紫堂を父として戦場で育った少女・涼子の物語。
サバイバルアクションとハードボイルドな雰囲気を持ち、有無を言わせぬ迫力でぐいぐいと引き込まれる作品です。彼女が高校生として日本で暮らすエピソードと戦場で暮らした幼少期のエピソード、そして涼子の過去と秘密が描かれています。涼子の体に起こる変化の謎が物語の中核なのですがどちらかというと、戦場の中で暮らし自分の居場所を見つけ、成長していく様子を描いた幼少期のエピソード(通称戦場編)が一番好きだったりします(実際こちらの方が人気があったようです)。涼子が知識を学びその能力を発揮する描写はわくわくしますし、父親・紫堂の厳しい態度の中にある優しさとか、殺伐とした世界にも係わらず涼子と父親や父親の傭兵チームのメンバーとのほのぼのとしたやりとりとかが魅せる作りになっていると思いました。個人的に父親・紫堂の渋キャラなのに笑えるところもあるのがツボ。ラストは連載事情もあってか早送りな上、リアリティがなさすぎな展開だったのが残念でした。

和田慎二
花とゆめコミックス/全10巻/白泉社
ジャンル:アクション・少女・サスペンス/好み度:★★★★☆