囚われの聖女 ほかハーレクイン5件 

囚われの聖女  (ハーレクインコミックス)
中村 地里 トーリ ・フィリップス
伯爵の姪で修道女のヒロインは謀略により反逆罪で殺されそうになるが、死刑執行人の青年がヒロインの気質に魅かれ殺さず二人はともに逃げることに、という話かな。16世紀ごろの話だからか人物の口調が大仰で芝居を見ているよう。ヒロインを探す彼女の身内たちの快進撃(笑)がけっこうツボった。ハーレクインだが歴史ロマンス的なわりとしっかりした構成で読み応えがある。複数巻。線の細い絵柄は物語にあっている。

侯爵夫人と呼ばれて (ハーレクインコミックス)
井上洋子 リン ・グレアム
質素な暮らしの中死んだ異父姉の娘を育てていた女性は、姉の遺言により姉の亡夫の兄である侯爵と3年ぶりに再会。当時の誤解によるすれ違いから確執がある二人は姪のために契約結婚することになる。結婚してから両想いになるまでが見どころのHQ。主人公がとにかく健気、死んだ姉はこれ以上ないだろってくらい身勝手。すごすぎる。相手男性が人の話を聞かないのはHQの鉄板だが、主人公も思慮が足らないのも要因か。良くも悪くも坊ちゃんだからか怒りから反省の切り替えは早いけど。原作だともっと葛藤が長いのかもしれないが。

砂漠に魅せられて (HQ comics タ 8-2)
たむら 純子 ナターシャ・オークリー
砂漠の国の王子と英国金髪美人の恋。主人公はテレビの企画番組の撮影を許可をとるためのパーティで王子と出会い、冷たい視線を投げかけられる。しかし主人公の予想に反し許可が降り、かの国へ赴くことに。実はある疑惑から王子は主人公を手元に置いて調査していたらしい。政治的というか王族のごたごた?的な話が背景にあるのだが知識が明るくないので何度読んでも不明瞭でそれに伴って二人の恋愛展開もよくわからなかった。HQ的には王子の態度が二転三転して戸惑うヒロインが見所なのか?絵は愛らしく少女向け漫画の砕けた表現が多く親しみやすかったんだけどね。

ヴィーナスの誤算 (ハーレクインコミックス)
中山紗良 ヘザー ・マカリスター
会計士の仕事一色のキャリアウーマンが恋愛体質の友人と一緒に行ったカフェで見た美男子に心惹かれる。そんな自分を叱咤する主人公は講師を務めるセミナーに件の男性を見かけ・・。会計士とアパレル系経営者の恋なので、仕事事情と恋愛感情の要素が良い具合に混ざり合っていて読み応えがあった。男性のために女性を磨いてみたり落ち込んでみたりと主人公の一生懸命さ、男性の複雑な事情と誠実さが見所かなと。主人公の前職の面々を見るに企業ってどこも似た感じのことがあるんだなあと思った。

人魚のためいき (エメラルドコミックス ロマンスコミックス)
卓美 涼,パティ・ベックマン
三代に渡り確執と因縁を持つ家の息子と娘の話。大富豪の男性が落ちぶれた家のヒロインを強引に誘惑するという展開。ヒロイン側の家庭の面々のキャラとか男性側の心情描写とかきちんと両想いになったという感慨シーンがないところはいまいちなれどシチュエーションとしては萌えた。