夢を見た 岸浩史

Amazon
夢を見たをAmazonで見る

著者が今まで見た夢を紙面に起こした、夢の中の物語。
この物語の夢は、未来の希望のほうじゃなく、睡眠中に見る不可思議な光景のほうを指します。
著者が過労で倒れ指が動かなくなる後遺症があったときに見た夢を再構成し紙面に起こしたらしい。
満月を見上げているとつきが煙突にぶつかってこげて欠けていくとか、雲に紙飛行機があたってジグゾーパズルのようにばらばらになるとか、ファンタジーというか絵本とか無声の実験アニメのような絵面。
夢を見ているそのときには違和感がほとんどなかったけど、目が覚めて覚えて夢を反芻してみたらやっぱり現実ではありえない変さがあったなとか、無茶なりにもそれなりに整合性はあったなと思う感覚が思い出されます。
エピソードの終わりに覚醒とその境目と熟睡という項目の夢目盛りというのがあり、著者自身のそのエピソードにおける度合いが提示されているのもユニーク。自分の感覚とはけっこうずれてた(笑)
さあっと流してではなく、ゆっくりと1ページを見るのに時間をかけて読むタイプのタイトルかな。

岸浩史 / 双葉社
ジャンル:青年・ファンタジー / 好み度:★★★★☆