謎の物体ファントムが次々と人間を飲み込み消していってから1年後。廃墟となった都市に生きる男の子1人と女の子3人の物語。
未知の脅威により人間が飲み込まれ消えていき人がほとんどいなくなった都市が舞台。少年少女4人は無人の店で食料を調達したり菜園をつくることにより暮らしている。
常軌を逸した状況ですが、4人は冷静というかあっけらかんとした印象があり、その共同生活ぶりも悲壮感は少なく期間限定の放課後、もしくは休みを楽しんでいる風。消えた人たちもいつか帰ってくると信じているから。心情はいろいろあるんだろうけど日常描写はそんな感じ。
サバイバルとスローライフを足して割ったような日常が続いています。パニック・サバイバルというより、「普通の日常」のしがらみを受けない思春期のこどもたちを描写したような印象を受けました。
なので脅威の元であるファントムはいないのかなと思っていたのですが、出会い頭にファントムに見つかり逃げるという展開もあり、危険と隣り合わせの状況でもある模様。先々SF的展開がありそうな予感。
思春期の男女4人なのでジャンルによってはエロ方面にいく場合もありそうですが、このタイトルは興味からくる話題や冗談で終わっています。唯一の男子がそういう方面に食いつかないタイプであり女の子3人の保護者のような立ち位置だからか。主題から逸脱した展開が少ないのはうれしい。
吉富昭仁
チャンピオンREDコミックス全6巻 / 秋田書店
ジャンル:少年 / 好み度:★★★☆☆