平凡な女子中学生ハルは近くの貯水池に隕石が降ったころから何を食べても満たされず体がゲル状になるという体の変調をきたす。そんな中、同級生の少女が変死するという事件が起きる。
SF設定のサスペンスミステリ。深く暗く苦い人間描写も健在。
おそらくは隕石が原因であろう主人公の体の変化とその意味が何なのかという疑問解決がメインだと思うのですが、物語の根幹には人間の感情描写が不可欠な要素になっているようです。
犯罪歴のあるひきこもりの隣の青年、同級生の男の子、UMAを追う男の子の兄、同級生の女子たち。主人公は隣の青年にほのかな好意を持ち、同級生の男の子は主人公に愛情があるような態度をとる。主人公は自分の誕生とともに死んだ母と残された父に対し複雑な心情を持つ。
誰が真実を語り誰が偽っているのか、意図はなにか、本当は何を欲しているのか。ぐるぐる絡み合う人間模様。
見た目、行動が必ずしもその人間の本質を表しているとは限らない。あたりまえのことなんだけどその恐ろしさを改めて感じる構成なのが印象に残ります。
タカハシマコ
アクションコミックス全2巻 / 双葉社
ジャンル:青年・ドラマ / 好み度:★★★☆☆