世界で一番キミが×× 他少女漫画4件 

世界で一番キミが×× (Betsucomiフラワーコミックス)
蒔田 ナオ
もてるのに恋愛を嫌悪しているメガネ男子・夏樹と一見地味で周囲の便利屋的な立ち位置の女子の話。夏樹は、彼女のパシリっぷりを見るに、女性に尽くす実兄とかぶって見えていたところに、夏祭りの誘いを受ける、というはじまり。手のひらで踊らせようと思っていた相手が実は思っていた性格と違い、逆に自分の内面を看破される。それをきっかけに相手に対する気持ちに変化が、という展開。人物描写・関係設定ともにひねりが効いていて読み応えあり。男子側視点が主軸だからか恋愛もの特有のキラキラ度が少ないのが個人的に好み。ヒロインの流暢かつ隙のない見解にグウの根も言えない男子の描写が印象的だった。同時収録は「遠い空は水玉」・表題作の前日譚の「水曜日は雨降り」★★★★☆

その男、奇っ怪につき (Betsucomiフラワーコミックス)
菊地 かまろ
母親の再婚により、片田舎に住む叔父の家と同居することになった女子の話。幼少時の主人公にとって憧れの存在だが現在は小説家故風貌変化の振り幅が激しく、主人公の行動にものらりと大人の対応をする叔父、同級生で幼馴染で主人公が好きな勝気な男子の3人のやりとりとか人物関係が巧み。短いエピソードごとにそれなりの結末をつけるタイプの構成、人物描写が自然体で実に読みやすい。恋愛方面は進展しきれないまま終了している印象だが続きが出るのかな?★★★☆☆

5つのハジメテ-うばわれてもいい、キミになら- (少コミフラワーコミックス)
心 あゆみ
恋愛未経験で男子がちょっと苦手なごく普通の女子高生の主人公。ひょんな出会いとやりとりで、主人公を本気の恋愛相手と決めたモテ男子との恋愛ステップを描いたお話、かな。ちょい悪王子様的な相手に翻弄され守られ惹かれていくという王道恋愛展開が好みの人にはたまらない内容かと。相手男子には似たタイプの仲間男子4人がいるが、物語における立ち位置が希薄。その割に幕間のプロフィール設定の凝り方がすごい。後々シリーズ化して各々に彼女ができる話が作られる予定なのだろうか。相手男子の兄の話が次回作のようだが。

恋と欲望のススメ (少コミフラワーコミックス)
千葉 コズエ
表題作ほかいたずらな人魚・恋は紅色・彼のユビサキ・美少女王子収録。表題作はチャラ男と地味目女子の恋愛。地味目の女子にギャップ萌えを感じた男子はつきあおうと誘うはじまり。レーベル的に微H展開も含むようで。幼馴染に片想いする女子が妹に嫉妬、教諭と生徒、旅芸座の男子との恋などなど。何を魅せたいかというのがはっきりした構成で柔らかなハッピーエンド演出が上手いと感じた。