子猫の吐息で 他少女漫画4件 

終末のナミダ (りぼんマスコットコミックス)
たいら 茶織
終末ナミダ・私ケ星・花のいのちは美味しくて収録。寿命がきた人間の魂を取る・寿命がこないのに死にそうな魂を助ける神の面々の仕事の話。自分の寿命を知ってなお笑顔を絶やさぬ少年に興味を持った死神少女・祖母とぎくしゃくした孫の少女の心情・依存していた父を失った少年・自殺を図る少女など。いわゆる死神と死ぬ人間の(助ける話もあるが)オムニパスだが1話ごとのバリエーション豊かなところが良い。主題である「死」の描写方針を明確にし対象年齢層向けに咬み砕きかつそれなりにリアリティを持たせている印象を受ける。絵も丁寧で描き慣れている感が強く読みやすい。

子猫の吐息で (りぼんマスコットコミックス)
椎名 あゆみ
子猫の吐息で・ハートビート・ディンドン・全部君のせい収録。表題作は、周囲に良い噂がない男子と、迷い猫がきっかけで仲良くなった女子の話。恋愛直球というより恋愛一歩手前の猫と二人、猫を通した二人の交流が見所か。ほかにはちょっとめんどくさい系男子とか身長差がある(女子のほうが高い)カップルとか、明確な主題と設定を据えた話が多い。それゆえ短編でも物語をしっかり堪能できる内容。★★★☆☆

ブラックハートスター (花とゆめCOMICS)
中村世子
現代日本に似た国には、魔法少女が衆知されていて国民的アイドル並みの人気がある。とてつもなく印象が薄い少女が国の指針で魔法少女の敵女ボスをやることになる。存在感がなく性格もネガティブな主人公が自己愛が強そうなタイプの女ボスを演じるはめになるところがミソの話。勝負自体はシナリオが決まっているというか様式美ありきというかプロレスや特撮のノリ。エピソードも設定も手数が多く娯楽として楽しめる密度の濃い内容。主人公のコスチュームと女王様っぷりが好みでした。登場人物の動かし方が上手いなと感じた。最後の最後で魔法少女のほうの素が出てきたけど続編はないのかな。★★★☆☆

駅彼 ─それでも、好き。─ (マーガレットコミックス)
くらゆい あゆ
小説原作。通学途中の駅で見かけ、一度だけ拾得物を渡した時だけ接触した男子に2年間恋心を抱いていた女子は、告白を決意するもその過程で男子に怪我を負わせてしまう。罪滅ぼしを望む主人公に男子が提示したのは彼女っぽいことをしてくれるというものだった。片想いを募らせた期間が長いから駅彼なのかな。物語が動くと駅とあんまり関係なかった。恋愛ものの定番を踏んだ内容で至極読みやすく初心者向けな印象。