普段は無口、無表情と感情を表に出さない中学の美術教師・面影蒼が仮面を被ることにより仮面に宿る力を体現し、悪人と対決していく物語。こやま先生の作品ではめずらしいクールな主人公です。美術教師らしい前衛的な髪型がまたナイス(笑)。主人公は自ら感情を閉ざしているが、仮面をつけることによってそれを解放するというパターンで、悪を率先して倒す正義の味方というより周りの人間を守るために戦うという感じ。
仮面は古代文明で作られたものやアフリカ民族が作るものが多く、その仮面が作られたいわく(儀式や使う目的等)の語りは見ごたえがあります。仮面をつけて超常能力を発揮するところは漫画用の誇張ですが使われる仮面は全て実在します。感情の起伏のない主人公と彼についてまわる生徒・神楽マキの活発で明るい性質との対比が印象的でした。全体の雰囲気は妖しく、奇人がいっぱい出たり、現代物と思っていたら実は独自の世界観だったりと中々エンターテイメントな作品。決して万人向けとは言えませんが。
個人的には閑話休題的なエピソードが好きでした。マタドールの衣装を自前で持っている蒼さん、素敵すぎ。
こやま基夫
少年チャンピオンコミックス全4巻/秋田書店
ジャンル:少年・ミステリー /好み度:★★★★★