忘却の首(しるし)と姫 惣司ろう

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弱小の王国の王女は、強国の王の元に嫁ぐ。かの王は強い魔力を持つ首のない王だった。
魔法がある舞台設定で、王に首がないいきさつも先に語られてはいるが相手の王様が首から上がない、現在の年齢がかなり高いなどなどこの手のファンタジーでは実に珍しい設定が目白押し。
とはいえ、無垢な王女を主人公にしたファンタジー王室ロマンスとしては王道で、政略結婚だったが、双方相手に惹かれての結婚だったし、特殊な状況からすれ違ったり邪魔が入ったりとする中で絆を深めるというパターン。
ファンタジー設定や王室ものとしてのエピソードの作りこみは秀逸。なにより冒頭から二人は相思相愛状態なので、個人的には安心して読める内容なのが好み。
正直なところ絵の技術や、物語の不明瞭なところをフリートークで補うなど、精錬されているとは言いがたい部分もあるが、そこも含めて著者の魅力なのでしょう。絵柄的には可愛らしく好感が持てるしドレスなどの絵は見事だと感じました。

惣司ろう
花とゆめコミックス全7巻 / 白泉社
ジャンル:少女・ファンタジー / 好み度:★★★★☆