不況で弁当が流行し、自炊調理に特化した超常能力を持つ人間が現れ始める。そしてその能力を持つエリートを集めた学校に在籍する少女が主人公。伝説の料理人たる母親を探すために入学しているのだが能力が開花していない落ちこぼれ。そんな彼女が生徒会長に退学を賭けた弁当勝負を挑まれる。母の残した包丁を持っているヒロインだが決して使うなと釘を刺されていつつも崖っぷちの状況で使用、魔法少女のような出で立ちになり能力に目覚めるという展開。
弁当を作る能力が高いと世間一般の常識においてもエリート、という設定の弁当料理ものに、魔法少女ものと行方不明の母を探す浪花節ドラマをぶっこんだごった煮闇鍋漫画。敵の存在とか能力のインフレ、調理バトルにおける大仰な舞台劇のようなテンションと演出、審査員の過剰な料理感想などなど、往年の熱い料理+少年漫画、某料理番組のお約束な演出を揶揄したというか逆手に取ったパロディというかな構成が面白い。あと盛り上がったところで次回がクライマックス!みたいなあおりが一話ごとに入り次の話では途中で在ったであろうエピソードをすっ飛ばすし急展開が何度も起こる。登場人物たちは真面目だが読み手から見れば滑稽の何物でもない系の突き抜けたバカ展開にかなり笑わせていただきました。本当に、なんじゃこりゃ、もっとやれ(笑)という感想につきる。
水あさと
アース・スターコミックス全3巻 / アーススターエンタテインメント
ジャンル:青年・コメディ / 好み度:★★★★★