幽霊や人の作った幻が見えるといった特異体質を持つ少年タクトが体験する様々な出来事を綴った物語。
幽霊の生前の出来事や想い、幻を作り出す人の感情がタクトを通して語られており、最後のエピソードはタクト自身の憤りや感情、心の中に常にある葛藤が描かれています。劇的ではないけれど心に響く物語です。タクトは、苦しみや悲しみを伝えようと現れる幽霊の声を聞き、時には手を差し伸べたり時には叱咤したりします。つかず離れずというか体を包む霧の感触のような雰囲気がいいですね。また、幻を創ることができる友人もいいキャラを持っています。彼の止められない感情の吐露とか、タクトとの会話とかに愛しさを感じたり。
TONO
クリムゾンコミックス/全2巻/集英社(創美社)
ジャンル:アメージング・ファンタジー/好み度:★★★★☆