ハレムでひとり 星野リリィ

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ハレムでひとり・夜のサーカス・夜のみなそこ・カナリアの冒険・満ちる肌・潤む肌を収録。純真で一途な恋を描いたボーイズラブ作品集。
全般的にファンタジーというか御伽噺のような雰囲気と構成の物語が多め。設定も秀逸で、感性がすごいなと感じます。BL描写はそこそこありますがそればっかりというほどでもなく。
一見女の子にも見える受が多いのですが、女々しいというイメージは薄く純真で一途という印象が強いところが良いですね。愚かとも言えるほどに相手を想うその一途さに心が締め付けられる気持ちになります(有体に言えばキュンとなる)。絵が可愛いからか演出がいいのか。あ、表情の描写が絶品なのか。

ハレムでひとり
小さな王国の王に夜伽に呼ばれた花菱。その後王は周囲に戦争を起こし国を大きくするが・・。王にもらった角砂糖を心の縁に過ごす花菱がせつない。御伽噺のような語りが印象的。
夜のサーカス
サーカスのブランコ乗りの少年の夢。コマ割りが特殊ですが檻をイメージしている模様。
夜のみなそこ
王子の青年と従者の少年のお話。夜に願いをかなえる夢を見させるという娼館で2人が互いの想いを相手に知らせるという展開。昼はサーカス、夜は娼館で従業員は人間じゃないという迷宮ファンタジーのような設定と2人が愛を確かめる過程がツボでした。一番好きな話。
カナリアの冒険
かけおち漫画(笑)せつなくも幸せを自分で掴み取るという強さを感じるタイトル。これもそこはかとなくファンタジー設定。
満ちる肌・潤む肌
唯一現代設定のBL。タラシで来るもの拒まずのイケメンと純朴メガネ委員長のお話。委員長はダメ元で一度だけ抱いてくれとイケメンに懇願する。ジャンル的には誘い受けになるのか?ちょっと違うか。泣きながら懇願する委員長の表情と、ちょっとしたすれちがいによるせつないシチュエーションに萌え(笑)

星野リリィ
ビーボーイコミックス全1巻 / リブレ出版
ジャンル:ボーイズラブ / 好み度:★★★★★