コネにより、とある漫画家のアシスタントとなった著者のドキュメンタリーエッセイ。
著者は即売会で知人の紹介による採用のためスキルの高さは不問だった模様。作画技術が素人並の人間がアシスタントになった場合の一例としてという感じかな。素人並つってもアシスタントとして使えるかというレベルの話で、ということですからほんとの素人よりは格段に高いとは思いますが。でも初日は消しゴムかけのみだった模様。
作家さん、メインアシさん、著者という3人というこじんまりとした少数精鋭かつアットホームな仕事場。著者が、アシスタントスキルを学び、仕事をこなすという形でアシスタントの仕事内容や技術のまめ知識をはさみつつ漫画製作の現場を赤裸々にかつコミカルに描写しています。
低レベルから徐々に慣れていくという展開だからか漫画を描くということになじみがない人でもわかりやすく楽しめる内容。会話描写と説明描写の兼ね合いとテンポが魅力です。
しかし逆に業界を知っている人にはちと物足りないかもしれません(ネタだけ見るとね)。
よく考えるとわりと濃い話も、軽くコメディっぽくさらっと表現されているところが個人的に好み。
印象深かったのは臨時アシさんの話とお犬様の話でした。そうか・・犬も罠に入るんですね・・。
志々藤からり
ウンポココミックス1巻/ 新書館
ジャンル:エッセイ / 好み度:★★★★☆
ところで1巻表記がないのですが1巻収録分以後も連載は続いていたと思うのですけど・・続巻あるのかなあ・・・。