親友と信じていた級友に裏切られ、両親を殺されたうえに出ることが不可能とされる洞窟に突き落とされた少女・亜里沙の復讐の物語。
普通の少女が状況の変化から強くなるというパターンで、作者の作品に良く見られる内容です。日の差さない洞窟の生活のため髪の色が白を通り越して銀になったところからタイトルがつけられたようです。洞窟でのサバイバル生活の描写と、脱出の際の緊迫感のある展開が個人的に見ごたえがありました。退屈しない構成、物語の象徴たる小道具の存在といったスパイスも効いています。
物語の後半は、主人公が裏切った級友の通う学校に入り、復讐をはじめるのですが、3人の内の2人には各々の得意分野で打ち負かすという結構地味な方法なのが笑えました。少女漫画な展開で、かえってリアリティが増したとも考えられます。結局3人とも最悪の末路をたどるのですが。ある意味、彼女たちも純粋な少女だなと感じました。というか描かれたころがそういう時代だったのかなあと思ったりも。唯一本当に主人公のことを思っていた級友とのエピソードもほろりときました。そういや、洞窟で生活をともにした老夫婦は主人公の親類縁者だったのかなあ。
表題作の他3篇の短編も収録されています。ちなみに記載してあるのは文庫版の内容です。花とゆめコミックスの方は買ってないのでわかりません;今では漫画の文庫版ってあたりまえになってきていますが買った当時はめずらしかったなあ。
花とゆめコミックス全1巻/白泉社
集英社漫画文庫全1巻/集英社
ジャンル:少女・アクション/好み度:★★★★★
同時収録作品:お嬢さん社長奮戦中!/冬の祭/パパ!(文庫版)