純朴な少女万里亜は、彼女が相続した財産目当て親戚の画策により少年院に送られる。少年院の弱肉強食の生活の中で強くなった彼女は恋人の再会という望みのために脱走を敢行する。しかし恋人は万里亜を裏切り、彼女は悪の道を歩むことを選択する。一方、脱走劇の際、万里亜に濃硫酸を浴びせられた保護司・沼重三は彼女の行方を追う・・。
ジェットエンジンのように運命にふりまわされる主人公の描写と怒涛の展開が強烈でした。古きよきアクションドラマというかなんというか。
逃亡途中で身を寄せる教会のエピソードがいいですね。頑なになった主人公の心がほぐされていく過程とタルボット神父の法が定める刑期の限界と罪と罰の本質を説いた台詞が特に印象に残っています。
かなり古い作品なので構成がステレオタイプなのは否めませんが心に残る作品なのは確かだと思います。スケバン刑事の前フリ的位置にある作品でスケバン刑事の中でもこの話の後日談というか当時の沼さんの心情とかが出てきます。
和田慎二
Stコミックス全1巻/大都社他
ジャンル:少女・アクション・ドラマ /好み度:★★★★★