野球を見続けた老人に一千万を託された高校野球選手。甲子園出場に向けて、野球部内そして部を取り巻く芳しくない状況を打開し行動する。
創立100周年の節目に甲子園出場を目前に盛り上がる県立高校の野球部。しかしあと一歩のところで出場を逃してしまう。以後はOBや教師・後援会、監督までも大人たちは甲子園出場に対する意欲を失いまた戦力的にも主力は主人公一人となっている状況。
そんな中、いつも試合を見ていた一人の老人が、高校生の主人公に、野球部のために使えと一千万を託す。
高校生には大きな金額のお金の使い方がわからないということで主人公はいったんその金を封印する。まあしばらくして、実際に甲子園に行ったり高校野球に関する野球以外の状況や薀蓄を学んだり体をつくるために使ったりと徐々に目的のために使いはじめるわけですが。
高校野球が舞台ですが単なるスポ根ものではなく、甲子園出場を勝ち取るというイベントビジネスを成功させるための画策を描いた物語といった印象。プロ野球のオーナーの業務みたいというか。
高校野球に関わる大人とか組織とか、高校野球にロマンを見る人にはちょっとせちがらい内容かも。まあ現実的なんですが。個人的に監督の無能云々の話は本当に涙を誘いました(汗)
次回予告に「黒い」という表現を使っていますが、目的のために清廉な方法ではなく(合法的な)ダーティな手段もとるという意味かな。野球の技術を磨く以外にも金を使い行動するという展開からか。
三田紀房
ヤンマガKCスペシャル全25巻/ 講談社
ジャンル:青年・スポーツ / 好み度:★★★☆☆
そういや甲子園って芝になっちゃって負けると泣きながら土を持って帰るイベントはなくなったのかな?